リヴァトン館(The Shifting Fog) [本]
メイドが語る、由緒正しき貴族の館で起きた悲劇。
哀しく、美しいゴシック風サスペンス
著者:ケイト モートン
老人介護施設で暮らす98歳のグレイス。
ある日、彼女のもとを新進気鋭の映画監督が訪れる。
1924年に「リヴァトン館」で起きた悲劇的な事件を映画化するにあたり、
ただひとりの生き証人であるグレイスにインタビューしたいと言う。
封じ込めていた「リヴァトン館」でのメイドとしての日々が
グレイスのなかで鮮やかに蘇る。
ふたりの美しいお嬢様、苦悩する詩人、厳格な執事、贅をつくした晩餐会――
そして、墓まで持っていこうと決めたあの悲劇の真相も。
サスペンスに美しい姉妹はやはり必要だなって思ってしまう。
読み終えた感想としてはちょっと落ち着かないけれど、
メイドとして働いていたグレイスの記憶の世界には美しい登場人物が沢山。
戦争の時代もあるけれど華やかな場面も多いので映像化されたら嬉しい。
とりあえず、ダウントンアビーのイメージで読みすすめていた.
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どのお話も現在から過去を振り返る形なのですが、なかでも忘れられた花園は
登場人物も時代背景も多く、途中わからなくなり、人物関係を紙に書き出して読み進めた。
リヴァトン館がやっぱり一番好きかな~。
少年と自転車 [映画 ヨーロッパ]
LE GAMIN AU VELO・THE KID WITH A BIKE
「帰って来ない親を施設で待ち続ける子どもの話」を聞き、
暴力行為に至る運命から逃げられるかどうか考えたことから描かれた作品。
第64回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
::story::
もうすぐ12歳になる少年シリル。父親は彼を児童養護施設に預けたまま行方知れずに。
シリルは自分が捨てられたとは露とも思わず、父親を必死で捜し続ける。
そんな中、美容師のサマンサと出会い、サマンサに週末だけの里親になってくれと頼む。
父親捜しを続けようやく見つかったが・・・
主役の少年シリルを演じるトマ・ドレの演技が切なくて
どこかドキュメント作品を見ているような気持ちになった。
サマンサの存在・愛情は素晴らしく、自分ならこんな風には出来ないと思え、
監督の作品へこめた想いを改めて考えさせれた。
愛するということ、愛されるということ。
そして人間が生きるために必要な絆は生物学的な絆でなくても構わいと思うという言葉。
ちょうど「メイジーの瞳」も思い出した。